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2019.09.27

COLUMN

ウェルビーイング井戸端会議 by GREEN SPRINGS 第1話:立飛×ウェルビーイング~GREEN SPRINGS誕生秘話(前半)

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kokk次世代のしあわせなライフスタイル「ウェルビーイング」について、GREEN SPRINGSに関わるひとびとが、様々な角度から語っていく連載企画です。

第1回は立飛ホールディングスがJR立川駅北側の国有地「みどり地区」を取得し、開発にいたった経緯について、まさに街区を落札したその日の晩に集まっていたメンバーが改めて振り返ります。

多摩オンリーワンの施設を

「立飛みどり地区」開発のための条件 (株式会社立飛ホールディングス代表取締役社長 村山正道)

村山 「立川駅北側の国有地を取得したい」というのは、実は私から言い出したんです。立飛ホールディングスが持っている94ヘクタールの敷地を活かすためにも、駅から近いあの場所はすごく気になっていた。でも街区の開発をするためには、いろいろな規制がかかっていたため、誰が取得するんだろうと思っていたんです。2008年に行われた1回目、2回目の入開札は不調に終わっていた。できれば2020年まで誰も手を挙げないでほしいと思っていたところ、2015年、立川のためにならないのでは、という施設が取得に動き出したため、入札を決意したんです。

横山 2015年のはじめにさいたま新都心合同庁舎に入っている関東財務局に行って入札して、1月27日に落札が決まりました。たまたま、その晩に飲む約束をしていたのが今日この場にいるメンバーです。

久保 そう、僕が以前勤めていた会社を辞めて、自分で会社を立ち上げたばかりで、新年会を兼ねて壮行会をやっていただけるということで、立川のあるお店に集まっていたときで。

深井 村山社長がいらして、「立川駅北側の土地を落札した。あとはよろしく」と。そのサプライズ発表があまりにも衝撃的すぎて、新年会と久保さんの壮行会という名目がどこかに飛びましたよね(笑)。

村山 でも私は、50年後に「あの時によくぞ落札した」と言われるだろうという自信はありますけどね。もともとあの土地は他に例がない、立川市の地区計画上の規制があったんです。

横山 大きい敷地を開発する時に、一番簡単なのは住宅を建てることなんです。住宅を建てて売却して資金ができれば開発が楽になる。でも住宅を建ててはいけないという規制があったし、その上今回は「敷地内に文化系の施設を作らなければいけない」という縛りがあった。  (株式会社立飛ストラテジーラボ執行役員本部長 横山友之)

深井 しかも「多摩オンリーワンのメイン施設」を作ること、かつ1万平米のこれまでにない施設を作ること、という条件で。

平賀 さらに、この敷地の近くには、在日米軍基地の横田飛行場と、自衛隊の立川飛行場があって、航空法により高い建物を建てられないという制限もあるんですよね。だから事業という面で見るとなかなか難しかったんです。都内最大の国営公園である昭和記念公園にも面しているなど立地は最高なんですけれど。

横山 でも僕は、あの規制や文化施設を作るという条件がなくても、結果的に今と近い事業をしていたのでは、と思うんです。最終的には立飛ホールディングスという会社全体が潤うために、盤面を広く捉えて街全体を強くさせないと結果として自分たちも実りがない。立飛ホールディングスも民間の会社ですから、どこかで営利をとらないといけない。でも経済が低成長化していて、なおかつ飽きられやすい今の時代に、これまでの成功体験に頼った資本集約型の開発をやってもだめでしょう、と。3年後、5年後という目先の利益でなく、長い目で見て、大きなスパンで考えていく。でもこれは「住宅を売って儲ける」というような明確な利益追求型の成果測定と比べると、その成果が事前にはっきり示せないから、なかなか理解してもらえないんですけどね。

深井 一般的に不動産会社はその土地に対する不動産価値と事業性が最優先されますが、立飛ホールディングスの場合は、自社が持っている奥の敷地の将来も含めて考えている。だから今回のような開発ができるんでしょうね。  (株式会社ランドスケープ・プラス代表取締役 平賀達也氏)

平賀 単年度の売上げで事業の成果を評価するようないまの仕組みではもう限界なんですよ。20世紀の成長を前提とした社会だったらそれでいいのだけど、国内外の環境が劇的に変化している社会では、持続可能な事業の実践こそが重要です。そういった時代に「地域の持続性に貢献する事業」が評価されていく。世界的に投資の流れがそういう動きを始めているわけです。ESG投資というのはそういうことですよね。今までの開発というのは敷地の中だけで損得勘定するだけだったけれど、街全体の価値を高める開発手法やその評価指標を確立できれば次の事業につながっていく。それは地元企業である立飛ホールディングスがやっているからこそ価値のあることなのです。GREEN SPRINGSの開発が立川の持続的な発展に貢献すれば、日本や世界の未来に希望を与えることになると思いますよ。

会社名や肩書きではない

このメンバーだったらやってくれる

村山 ここいるメンバーの能力は、「ららぽーと立川立飛」(2015年開業)の仕事を通して認識していたので、皆さんだったらやってくれるという自信があった。私は物事をあまり難しく考えないんですよ。このメンバーならやってくれる、それだけ。みんな男気があるから、「後は頼むぞ」と言ったら「わかりました!」と言ってくれる。そういう人たちなんですよ。

深井 ありがたいです。ただ、そう言われた私達はどうしようと(笑)。というかあの新年会の席にいたみんな、状況を理解する前に「はい」と言っていた気がしますよ(笑)。

久保 実は古澤くんとふたりで、駅前のあの地区の入札公告が出ているけど、立飛ホールディングスはすでに94ヘクタールという土地を持っているから、改めて3.9ヘクタールの土地を買うことはないだろうと話していたんです。  (株式会社フレームワークス代表取締役 久保憲一氏)

横山 敷地が足りないわけではないですからね。久保さんと古澤さんは「ららぽーと立川立飛」以前からの関係ですよね。

久保 そうですね。2011年末くらいかな。そこから僕と古澤くんが山下設計の人間として関わることになっていったんです。

古澤 今年、2019年で8年目ですね。

横山 立飛ホールディングスも村山社長が代表になってから、開発をしっかりやっていこうという方針になったんです。でもそういう仕事をこれまでしてこなかったから、パートナーとなる設計事務所がいなかった。そこで3社くらいでコンペを行ったんです。そのときに山下設計のグループを率いていたのが久保さんで、そのプレゼンがすごく面白かったんですよね。あと、久保さんという人のパーソナリティがよかった。立飛ホールディングスの企業文化を考えると、寄り添ってちゃんと考えてくれるような人が必要だろうと。だから久保さんが担当になってくれるなら、というので山下設計にお願いすることになったんです。

平賀 そうなんだ、初めて聞いた。ちょっとジェラシ―感じちゃうな(笑)。

久保 僕と古澤くんは会社の同期なんですけど、あのときのコンペはずっと一緒にやっていたんですよね。一緒にコンペに出ていたある大手の事務所は、我々よりも大規模な開発の実績があった。じゃあ僕たちはというと「立飛ホールディングスの開発なら、今までのスタイルでない提案をしよう」と、緑の豊かな場所を作る提案をさせていただいたんですよね。普通の企業からしたら貸す床面積を大きくして利益を高くするのがいいわけですが、私たちは、都心中心部から至近の場所に広大な敷地を一企業で所有する立飛は、床面積ではなく、環境の豊かさを売りにする不動産開発を行うべきではないかと。プロポーザルで提案するには、チャレンジングな提案だったんですけど。  (株式会社山下設計 古澤健児氏)

平賀 でも「立飛みどり地区」を入札したその日に、久保さんの退職祝いをしていたという(笑)。

久保 さっき横山さんが言われたような経緯で山下設計をパートナーにしてもらったのに、辞めることになって。ご挨拶に行ったら、村山社長に「そういうこともあるよ」と言っていただいて、壮行会まで。まさにその日に「立飛みどり地区」の入札のことを聞いた。

平賀 それもご縁ですよね。

久保 山下設計は、立飛ホールディングスが持つエリア全体のマスタープランを担当し、僕は「立飛みどり地区」全体のサポートとして関わることになりました。独立して、自分の会社を立ち上げたばかりで、どうなるかわからない。そんな不安を抱えたところにお話をいただいて、本当に有り難かったです。

村山 困っているように見えたんだよ(笑)。

平賀 この話が今回のプロジェクトを象徴する話だと思うのは、「◯◯会社の◯◯と」じゃない。「この人と仕事をしたい」ということで仕事をさせてもらえる。これはすごいことだと思うんですよ。

横山 平賀さんは「ららぽーと立川立飛」からのご縁ですよね。「ららぽーと立川立飛」はただハコを作るだけでなく、建築デザインもランドスケープもきちんとコンペをやって選ぼうという話だったんです。そこでランドスケープのコンペで参加していただいたのが平賀さんで、やはり平賀さんのお話が一番良かったんですよ。

深井 私の場合、「ららぽーと立川立飛」の基本計画に三井不動産と関わったのが最初ですね。なぜか三井不動産さんでなく、僕が役員の方の前でプレゼンをやらせていただくことになって。  (株式会社船場 深井幹夫氏)

横山 事前にその時の深井さんのプレゼンを僕は聞いているんです。それがすごく面白かったので「役員の前でもぜひ」と。

深井 でも普通に考えて、プレゼンの場で会計士の方がそういう発言をすることってまずないんですよ。これまでの経験でも1度もなかったので驚きました。

平賀 「何者なんだ!?」ってしばらく噂になりましたよね(笑)。

村山 立飛ホールディングスの再編前、グループ内で2社上場している会社があって、私はそのうちの一つ「立飛企業」にいて、ここはグループ全体を仕切る立場でした。もうひとつ、グループ内に「新立川航空機」という上場企業があって、ここの監査法人だったデトロイト・トーマツの担当者が横山で。その後独立したというので、手伝ってくれ、という話になったんです。

横山 僕、トーマツ時代にも村山社長にお会いしてますよね。

村山 会っているよ。でも若いし、こんな見た目でしょう? 私の中の、“会計士”のイメージってくたびれたオヤジだったから(笑)。「何なんだ!?」って。

横山 それを言うなら、村山社長も最初にお会いしたときから随分あけっぴろげ人だな、と(笑)。衝撃でしたよね。僕が独立したのが2009年で、当時、村山社長は立飛企業の取締役としては一番若かった。僕が新立川航空機という会社から、仕事をもらって関わるようになって、しばらくしたら、立飛グループで村上ファンドから派生したファンドに、株付されて、いろんな問題が起こり始めたんです。立飛企業では、村山社長がそれをメインで仕切られていた。僕はそういうところに少し素養があったので、相談に乗る過程のなかで、ファンドとの交渉は、この若造の会計士に任せてみようと。今にしてみればそれも思い切った起用だなと。そんな過程で取り立ててもらったというプロセスですね。

村山 でも、当時そのファンドが入ってこなかったら、まだ立飛は地域に責任を果たさない会社のままでいたはずです。彼らがいたから我々も変われた。2010年に代表権を持って、2012年に非上場して経営統合が完了した。第一弾の開発が「ららぽーと立川立飛」です。

 

>>後半につづく https://greensprings.jp/news/441/

<プロフィール>

村山正道

株式会社立飛ホールディングス、株式会社立飛リアルエステート代表取締役社長、株式会社立飛ストラテジーラボ、株式会社立飛ホスピタリティマネジメント代表取締役。1973年立飛企業株式会社入社。経理部長、取締役、常務取締役、専務取締役を経て、2009年立飛企業の代表取締役、2010年同社代表取締役社長。2012年、グループ再編化に伴い、現職に就任。地域社会に貢献するため、グループの所有不動産を、ららぽーと立川立飛、タチヒビーチ、アリーナ立川立飛と立て続けに開発。

横山友之

株式会社立飛ストラテジーラボ執行役員本部長。公認会計士/税理士/フィナンシャル アドバイザー。デロイト トーマツを経て独立、立飛企業株式会社及び新立川航空機株式会社のMBOについて助言。現在「GREEN SPRINGS」のプロジェクトを統括する。

久保憲一

久保憲一

株式会社フレームワークス代表取締役。1996年株式会社山下設計入社。建築設計部門担当として、ラゾーナ川崎プラザなどさまざまなプロジェクトに従事。2016年東京オリンピック招致活動施設計画や、2020年東京オリンピック招致活動施設計画に携わる。2015年フレームワークス設立。GREEN SPRINGSでは、開発全体のプロジェクトマネジメントを行う。

平賀達也
平賀達也

株式会社ランドスケープ・プラス代表取締役/ランドスケープアーキテクト。都市の中で自然とのつながりを感じられる空間づくりを実践。代表実績:二子玉川ライズ、としまエコミューゼタウン、南池袋公園など。GREEN SPRINGSでは、ランドスケープのマスターデザインを担当。

深井幹夫
深井幹夫
株式会社船場CREATOR事業本部SC綜合開発研究所長。「ららぽーと立川立飛」などの企画を手がける。GREEN SPRINGSでは、街区の商業の企画、リーシングを担当。

古澤健児

古澤健児

株式会社山下設計 プロジェクト推進部門 事業企画部/都市計画部部長。立飛グループの開発のマスタープランを手がける。

 

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