INTERVIEW

Urban Knit

アーバンデザイナー・兼平翔太は、1985年北海道生まれ。千葉大学大学院修了ののち丹下都市建築設計に入社。その後コロンビア大学建築大学院へ留学。2019年修了研究で優秀賞を修めコロンビア大学エイブリーホールにて作品展示。現在ニューヨーク在住。
Urban Knitはこの兼平翔太を中心に、建築エンジニアの鶴岡諭、アートメディエーターの冠那菜奈からなるクリエイティブユニット。本アワードを機に結成され、空間デザイン、パブリックアートなど幅広く手がける。

【Q1】Think Our Own Well-being というテーマをどう解釈し、作品制作に取り組んでいますか?

【A1】個人個人が他の人々との関わり合いを実感しながら、互いに意識し合い、違いを認め合い、他者を自分自身へ受け入れるという「心の余裕」もつこと、それが人々の心を健全な状態に保ち、健やかなまちや地域、コミュニティーをつくりだすOur Own Well-beingであると考えています。私たちが作品を制作するときはいつも、場所や地域になにかみんなが関わり合うことができる「余裕」を生み出すことができないかという発想を原点に、日常の中に少しだけ変化をつくりだすような作品づくりを目指しています。


【Q2】作品のコンセプト、内容を教えてください。

【A2】携帯電話が当たり前となった今、かつては人々を繋ぎ、距離を縮める貴重なテクノロジーだった公衆電話が日常から消えて、遠く離れた人とメッセージを交わすことの価値が薄れているように思います。この作品は、突然現れた公衆電話が非日常感を演出し、この作品と人々が触れ合えるような仕組みをつくることで、互いにメッセージを交わすことの「価値」を再認識させます。 また、人々が立ち止まり作品に触れるきっかけをつくりだすことにより、この設置場所の階段スペースを人々がとどまることのできる余裕が生まれる憩いの空間として変化させることを狙っています。


【Q3】今後の立川に期待することは何ですか?

【A3】一昔前は、再開発といえば大きなビルが建設され、駅とビルとが大きなデッキで接続され、人々の経済活動が効率的に・・・といったようなものでしたが、このGREEN SPRINGSは都市がこれから向かうべき新たなスタンダードをつくりだしているように思います。立川では、たくさんのパブリックアートやゆたかなみどりで人々を包み込み、ウェルビーイングのコンセプトを実現する様々な余地、仕組みが見え隠れしています。日本だけではなく世界からも、「立川のまちはすごい!」といわれるような存在になることを期待しています。