INTERVIEW
Akari Uragami
武蔵野美術大学工芸工業デザイン学科テキスタイル専攻卒業 2013年から国内外で活動中。主に染色した布を使用したソフトスカルプチャー、絵画、アニメーション等で混ざり合い作られる決して混ざり合わない世界を構築している。近年は壁画の制作も多く行っており、主なプロジェクトにノーザンクォーターの発電所(イギリス マンチェスター/produced by OUTHOUSE MCR)、CREATORS IN MUSTARD(MUSTARD HOTEL SHIBUYA/produced by TGP)等がある。
【Q1】Think Our Own Well-being というテーマをどう解釈し、作品制作に取り組んでいますか?
【A1】生命も都市も社会も、あらゆるものは新陳代謝していくことが重要だと考えています。自身の人生や自分の体、世の中の動きを見ていても気づかないうちに少しずつ形を変えながら構成する要素が入れ替わっていく。街などの自分を取り巻く環境の入れ替わっていく様子を見られることはそこを訪れる人の記憶や脳に新しい刺激を与え、新しい人々を呼び小さな動きがだんだん大きな動きになっていく。作品の変化を通して訪れる方々がOur Own Well-beingについて考えるきっかけになればと思っています。
【Q2】作品のコンセプト、内容を教えてください。
【A2】私の作品は基本的には自分がこのように世界を見ているという解説図みたいなものです。
今目の前にある机やコーヒーカップ、そこにいる人、床、天井、自分の周りにあるものはもともとは無関係のものたちで、偶然ここに居合わせ今の状況をみんなで作り上げている。
この机の木がどこからきたのかを私は知らないし、そこにいる人がどんな人生を歩んで何を食べて生きてきたのかを知らない。
現実はいろんなランダムなストーリーが混ざり合って形成されています。
それは自分の体も同様で、いつの間にかいつか食べたものをエネルギーとしてできた知らない細胞たちが私を形成している。
そうやってあらゆる本来無関係のものが混ざり合って形を成しているが、決して本当の意味で混ざり合う(一つになる)ことはない。
でも隣に何かがあることで自分の輪郭や色が決定的になる。
それが永遠に変化しながら続いていく世界。
今回の作品NEHANもそういったものを描いています。
GREEN SPRINGSもきっとたくさんの人で賑わい、新しい文化が形成されていくかもしれません。それは本来無関係だった人たちを繋げ、一つの形を形成させる役割をする重要なものです。
絵が変化していくことでその様子をリアルタイムに伝えていければと思います。
【Q3】今後の立川に期待することは何ですか?
【A3】立川に初めて行った時、栄えていながら公園や土地、建物の広々とした使い方に驚きました。都内でこういう場所は貴重だと思うし、立川が、今までも今回のプロジェクトも含めて、アートに積極的に関心を向けていることで、今後、自然ともっと面白い街になるんだろうなと感じています。
今後も立川ならではの新しさと豊かさを追い求めて欲しいです。