INTERVIEW

Keita Mori Sculpture Project

美術家・盛圭太は、2011年にパリ第VIII大学大学院美術研究科先端芸術(ニューメディア)を修了後、フランスを拠点としてコンテンポラリードローイングの第一線で活躍。パリのアートセンター「ドローイング・ラボ」のオープニング個展作家に選出、東京の国立新美術館での展示など、フランス、日本をはじめ各国で高い評価を得ている。<Keita Mori Sculpture Project>は、この盛圭太を中心に、アートマネジメントに携わる中川千恵子、杉浦岳史が加わった3人のユニット。盛圭太の作品世界をもとにした新しい彫刻の地平を模索している。

【Q1】Think our own well-being というテーマをどう解釈し、作品制作に取り組んでいますか?

【A1】個人と社会がそのバランスをしなやかに保ち、一人一人が心地よさを実感しながら生きていける環境を目指していくこと。私たちは「ウェルビーイング」のテーマをこう解釈しました。画一的な答えを社会が押しつけるのではなく、多様な個性や可能性をもった人がつながり、対話しながら、より豊かな共生関係をつくっていく。そんな未来志向の居心地を、街の入口という人々の出会いの場で表現できるような作品を目指しています。


【Q2】作品のコンセプトを教えてください。

【A2】良質な絹織物の産地。そして空の都と呼ばれた飛行機製造と空港の歴史。この<養蚕から工業へ>という立川の「記憶」の縦糸に、<人・文化へ>という「未来」の横糸が紡がれて誕生するのが「GREEN SPRINGS」。この交わりを形にすべく、私たちは「糸のドローイング」を原点にもつ美術家・盛圭太の作品を初めて金属で立体化しました。それは、これまでの彫刻の歴史の中で重要なテーマでありつづけた「門」の形をとって現れます。
私たちの社会が、個の多様性が集まることによって紡がれるのと同じように、この「門」は個と社会の結び目となり、一見もろく細く見える線が網の目のようにつながっていくことによって、繊細かつ強固なバランスで全体を構成します。行き交う人や、歳月とともに育っていく樹木にも調和して、「ウェルビーイング」を象徴する街のシンボルとなっていくはずです。


【Q3】今後の立川に期待することは何ですか?

【A3】この「GREEN SPRINGS」は、壮大な公園にとなりあった環境に調和しつつ、立川の風景をよりよく変えていくポテンシャルに充ちたプロジェクトです。この街区が象徴するように、緑と空とそして都市と人と文化がほんとうに居心地よくひとつになれるような景観が広がっていくなら、立川は東京の新しい手本となれる可能性がありそうですし、それはまさに今の時代に求められているスタイルでもあると思います。