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2019.09.30

COLUMN

ウェルビーイング井戸端会議 by GREEN SPRINGS 第1話:立飛×ウェルビーイング~GREEN SPRINGS誕生秘話(後半)

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次世代のしあわせなライフスタイル「ウェルビーイング」について、
GREEN SPRINGSに関わるひとびとが、様々な角度から語る連載企画です。

立飛ホールディングスがJR立川駅北側の国有地「みどり地区」を取得し、開発にいたった経緯について、まさに街区を落札したその日の晩に集まっていたメンバーが改めて振り返ります。

>>前半はこちら https://greensprings.jp/news/486/

 

落札から着工まで3年
GREEN SPRINGSができるまで

久保 GREEN SPRINGSは今でこそ、ホールをはじめとした施設が決まっていますけど、最初はなかなか何を作るか決まらなかったですよね。「オンリーワン」をやろうと、もがいていた時期がすごくあった。

深井 すごくもがいていましたよね。最初の1年くらいそんな時期があったかな。いろいろな人達に話を聞きに行ったり、そもそも「オンリーワン」という言葉をどう紐解くかが難しかったり。

久保憲一(「今回は、通常の開発プロセスと逆」と久保氏)

久保 土地を取得した2015年はこのメンバーで諮問委員会を立ち上げて、同年7月にこの開発のための会社、立飛ストラテジーラボができて、いろいろ動き出した。2017年にゼネコンや設計事務所などが決まって、一気に人が増えていった。一般的には、シミュレーションして3年くらいかけて何を作るかを決めてからスタートするわけです。でも今回の場合、そうじゃないスタートなわけですよ。通常のプロセスの逆のパターンと言いますか。

横山 「考えてから買う」んじゃなくて、「買ってから考える」という(笑)。

平賀 あまり常識で考えない方がいいですね、このプロジェクトは。

深井 入札はしたものの、3年後に着工しなきゃいけない。着工というのはとてもハードルが高いんですよね。図面も全部できていなきゃいけないから。

久保 普通の開発とは時間のスピード感が違う。

横山 なにもない敷地をぽんと与えられて、そこにセオリーどおりの建物を建てればいいよということだったら話は違っていたと思います。でも入り口がまずはそうじゃない。だからセオリーとして何を作ればいいかがわからない。少なくとも町を変えるための取り組みや、都心でやっている開発とは違うという、違うベクトルであることはわかっている。でもそのベクトルがどういう着地を求めているのかはわからない、みたいな。

久保 事例がなかったですからね。

平賀 すごく珍しいパターンだと思いますよ。普通は事業計画があって床面積を決めて用途があってと進めていく。でもそれを同時進行でやっていましたよね。

久保 山下設計として立飛ホールディングスに関わった最初の大きな仕事は、会社のロゴを作ることだったんですよね。グラフィックデザインのエクスプリムという会社を紹介して、皆さんとワークショップをしながら作るという。会社として大きな方針……外に開いていこうとか、「立飛みどり地区」のヤギとか、相撲とか、流鏑馬とか、そういうことが爆発的に広がっていった。

村山正道(「私の経営の原点は、落札したみどり地区にヤギを入れたこと」と村山社長)

村山 私達は立川の真ん中で、市の1/25の敷地という社会資本を持っている責任を感じないといけないんです。アリーナ立川立飛も一部の役員に反対されましたけれども、でもあのタイミングで建てたからこそ、Bリーグの「アルバルク東京」が来てくれた。これが3ヶ月遅れていたら成功していなかった。投資するタイミングというのがあるわけです。私は経理を30何年やってきたので、今使ったお金が計算書類のどこにどう反映されるか、瞬間的にわかるんです。投資案件、年間の減価償却費がどれくらいか、最終的にどういう影響を与えるかわかる。勘定科目の持っている意味もわかるから。その辺のストレスはまったくない。「タチヒビーチ」も、瞬間的に面白いなと。もちろん昭和記念公園のバーベキュー場の予約が取れないとか、今の若い人は海に行きたがらないとか、もろもろ考えた上で、楽しいことしかやっていない。例えば目の前に好きな人がいて、この人をどう楽しませるか。その視点だけです。社員の幸せを通じて、社会貢献をする。ひとりの社員を幸せにできないで、社会貢献なんかできるはずがないんです。多分、うちの会社が今やっていることに関しては、他社の前例が参考にならないんですよね。多分、他のどんな会社とも比較できないんじゃないかと思います。社歴もそうだし、地域性もそうだし。あと実は私の経営の原点は、落札したみどり地区にヤギを入れたこと。これはわかってほしいんです。国有地だった頃はただ年2回除草をしていただけなんですよ。着工までの3年間、ただ除草をしていても面白くないし、なんとかして地域の方に喜んでほしかった。駅に近い場所だからこそ、ヤギがいることで喜んでもらえるという。

古澤 ヤギと言えばなんですが、GREEN SPRINGSの行政協議の際に、1つおもしろい話があります。開発許可の協議で、立川の建築指導事務所に行った時、担当者が若い女性の方だったんですけど、私がこの場所で開発を考えていますと示すと「え、ここヤギがいるところじゃないですか! ヤギいなくなっちゃうんですか? 立飛さん、ヤギのためにこの場所を買ったかと思ってました。」と寂しそうな顔をされてました(笑)。ヤギによって、認知度は非常に高まったと思います。

村山 ヤギに会いに、ドレスアップして来る女性なんかもいましたよ。ネクタイをいただいたことがあります(笑)。実は私の中ではGREEN SPRINGSはもう終わっているんですよ。次はあの奥の94ヘクタールの敷地と、この先の開発のことを考えているところで。

横山 終わってないですから! これからですから!

村山 いやいや、終わってからじゃ遅いよ? 先のことを見ていこうよ(笑)。

開業まで1年となった
今、苦心していることは?

横山 経験則や過去事例ベースで片付かない事が多いんですよね。開発の責任者を担っている私自身が不動産デベロッパー出身ではないですから、日々いろいろな課題が出てきている。一言で言えば産みの苦しみ、なんでしょうけど。

横山友之(「日々、産みの苦しみです」と横山執行役員本部長)

久保 大体のプロジェクトは「条件があってそれを実行する」というプロセスなんですけど、今回は条件も含めて作っている事が多いんですよね。来年にオリンピックが控えていますけれど、1964年のオリンピックの時は「日本で作ったことがないようなもの」をたくさん作っていた人たちがいた。それに近いのかな、という気がしてます。みんなが自分事で関わっているというか、ピラミッド型の組織でものごとが順番に決まっていくモノづくりじゃないんですよ。

平賀 わかります。

深井 こんな形で仕事に関わったことってまずないですよ。

久保 例えばリーシングを担当している深井さんと、ランドスケープを担当している平賀さん、どちらが上の立場だとか、そういうことではないんですよね。お互いがフラットな関係性の中で話し合いながら決めていく、それは大変なんだけれども、絶対にいいものができる。

横山 この開発自体の性質はトップダウン。トップの村山社長がやると腹をくくっている。その上で、肩書きとか階層ではなく、アイデアとやる気がある人と議論をちゃんとして、みんなのコンセンサスを得ながら物事を決めていく。手間はかかりますけどね。

深井 村山社長の思いをどうやって落とし込んでいこうかとみんな思っている。

横山 でもこれだけ人が集まると、その思いを本当の意味で理解している人はたぶん5%にも満たなくて。会社論的な組織の中で生きている人もいる。5、6人なら調整できることも100人、200人の規模になると、いろんな役割があるから。ひとりひとり話して回ることはできないから難しいですね。でも、僕も広い意味では金融業界の出身なので、初めて久保さんや平賀さんなど、自分が普段かかわらない職種の人と話してたときは、新鮮だけど、でもどこかで、この人たちは資金を調達して投資して回収する、という金融の理論から離れた人だから、それを知らずして理念を語ることができる人たちなんだろうな、という……、蔑みっていったら失礼ですけど。

平賀 失礼ですよ!(笑)

久保 ひどいよね(笑)。

横山 だから、資金の出し手である金融業界の人にこの開発が理解しづらいというのは、その意味では僕にもよくわかるんです。僕も消化するのに時間がかかったし。迷いながらもちょっとずつ腹落ちしてやってきたということもあって。過去の事例から導こうとしても革新的な成功がなくて、特に環境が変化している今の時代に過去の成功例はあまりあてにならないことも多い。いろいろなディスカッションを重ねて初めて自分が腹落ちしてきたことを考えると、金融の論理からは受け入れづらいのは当たり前で。わかってもらえないから放っておこう、と斬って捨てるのは正しくないと。でもいろんな人にわかってもらうためのハードルが高いのもわかる。結局は成果を得るまで耐えるしかないのかも知れませんが。

平賀達也(「想いやビジョンが共有できれば、業種は関係ない」と平賀氏)

平賀 僕だって一緒ですよ。ただ価値観が激動していて、何もしないと日本が海外に食われるというリスクがあることはみんな肌感覚ではわかっている。そういうときって、やっぱり覚悟なんですよ。誰も歩いていない道を歩かないといけない。それをやっていかないとこの国がよくならない。だから今やっているんです。村山社長がおっしゃっていることは世界に通じると思って。だからいろんな業種が集まっても、そこに想いやビジョンがあって共有できれば、職種や役職など関係ない。

久保 みんな柔軟ですよ。自分の分野だけで解決することを考えず、人の文化を受け入れようと。

平賀 いい会だな、今日は(笑)。

横山 今回が郊外の都市開発の成功事例の一つになれば、日本の都市開発に悩める地方行政、……あとそれだけではないですね、海外の先進国の都市も視察に来るような場所になると想定しています。僕、海外からの視察対応に備えて、時間に余裕ができたら英会話に通おうと思っていますから(笑)。

平賀 先日行われたウェルビーイング・フォーラムの話がすごく面白かったですよね。21世紀の三大苦は「退屈、孤独、不安」だという石川善樹さんの話。確かに都市の中の公園って、結構一人で来ている人が多いんですよ。ここに来れば孤独ではない、同じ価値観を共有できる人と“一緒にいられる”という感覚を提供することが大切。単身者や高齢者が増加して、孤独や退屈が確実に社会問題になっていくなか、地域の自然や文化といった誰もが親しみやすい価値を事業の根幹に据えているGREEN SPRINGSは強いと思う。そのような時代背景を踏まえて、GREEN SPRINGSの価値を語るといいかも知れない。

深井 開業後も、どうやって関心をもってこのエリアに関わってもらうかが大切なんですよね。開業後がむしろ大変だと思う。

深井幹夫(「開業後も関心を持ってこのエリアに関わってもらうことが大切」と深井氏)

久保 立川市の行政の中にも、これをきっかけに何かが変わるなと思ってくれている人もいるんですよね。例えば昭和記念公園だって、今は西立川駅経由で行く人がほとんどだけど、立川駅から行けるルートを作ってみよう、とか。

古澤 先日、新聞に載っていましたが、多摩都市モノレールが最近、最高益を更新しているんですよね。それはやはり立飛駅前の「ららぽーと立川立飛」の開業が大きいと思うんですけど、一方で今回の「立飛みどり地区」は、モノレールに乗った時、敷地を上から眺めることができるというのがとても面白いと思うんですよ。地域の主要なインフラと連携して、地域経済にも貢献をすることで、また企業としての立飛ホールディングスに返ってくるものは絶対に大きいと思う。

久保 前に「たましん」の方が、多摩を48番目の県として捉えたら、という資料を作られたことがあって、だいたいいろいろなものが全国で10番目くらいになるんですよね。埼玉県と同じくらいの規模感と経済効果になる。そのポテンシャルを使わないのはもったいないし、多摩を盛り上げていくというのを村山社長と「たましん」さんが今後、このGREEN SPRINGSでやっていこうとしているというのが凄いですよね。

村山 将来、自分のやってきたことに関して「これは俺がやったんだ」って胸を張って子供や孫に言いたいじゃないですか。GREEN SPRINGSはそんな街区になるはずなんです。まあこれは、みんなにプレッシャーをかけているんだけど(笑)。よく私が言うのは、私達は他人の評価で生きているんだと。どれだけ私達が思いを込めて作っても、他の人達が評価してくれなければ意味がない。そしておそらく、GREEN SPRINGSが認知されるには4?5年かかると思います。でも東のミッドタウン、西のGREEN SPRINGS、そういう風に言われるときが必ず来る。目先の評価じゃないんです。あの場所に来た人が「これがウェルビーイングなんだ」と感じてくれる、そんな場所に必ずなるはずです。

古澤健児(「地域に貢献することで会社に返ってくるものは大きい」と古澤氏)

横山 僕らがオレゴン州のポートランドに視察に行くように、「まちづくりを学ぶなら日本の立川のGREEN SPRINGS」となっていけばいい。そこまでいくと、立川エリアに限らず、東京の西側の不動産エリアの価値も高くなっているはずなんですよ。たとえば、海外に出たことがない欧米の女の子グループが、「日本に来るならここは行かなきゃ」という場所になればいいですよね。

平賀 恋に落ちてほしいですよね。例えばフランスから来た女の子と、立川の男の子がGREEN SPRINGSで出会って。クロス軸の交点のところでね(笑)。妄想しちゃうな。

横山 単純に自分が行って気持ちよかった場所とか、美味しいものを食べられた場所って、自分の好きな人を連れていきたい、って思うじゃないですか。GREEN SPRINGSがそういう場所であってほしいですよね。

<プロフィール>
村山正道

村山正道

株式会社立飛ホールディングス、株式会社立飛リアルエステート代表取締役社長、株式会社立飛ストラテジーラボ、株式会社立飛ホスピタリティマネジメント代表取締役。1973年立飛企業株式会社入社。経理部長、取締役、常務取締役、専務取締役を経て、2009年立飛企業の代表取締役、2010年同社代表取締役社長に。2012年、グループ再編化に伴い、現職に就任。地域社会に貢献するため、グループの所有不動産を、ららぽーと立川立飛、タチヒビーチ、アリーナ立川立飛と立て続けに開発。
■私が思うウェルビーイング
「私は単純です。好きな人と手を繋いでいること、この感覚がまさにウェルビーイングなんだろうな、と思っています」

横山友之

横山友之

株式会社立飛ストラテジーラボ執行役員本部長。公認会計士/税理士/フィナンシャル アドバイザー。デロイト トーマツを経て独立、立飛企業株式会社及び新立川航空機株式会社のMBOについて助言。現在「GREEN SPRINGS」のプロジェクトを統括する。
■私が思うウェルビーイング
「同床異夢であっても、みんなで大きな夢を見て、語れる場があること。これがウェルビーイングじゃないかなと思います」

久保憲一

久保憲一

株式会社フレームワークス代表取締役。1996年株式会社山下設計入社。建築設計部門担当として、ラゾーナ川崎プラザなどさまざまなプロジェクトに従事。2016年東京オリンピック招致活動施設計画や、2020年東京オリンピック招致活動施設計画に携わる。2015年フレームワークス設立。GREEN SPRINGSでは、開発全体のプロジェクトマネジメントを行う。
■私が思うウェルビーイング
「自分ではまだ実現できてないこと。これから自分で実現していく夢みたいなもので、10年後に当たり前になっている生き方。それを追求している行為そのものがウェルビーイングなのではないかと思います。」

平賀達也
平賀達也

株式会社ランドスケープ・プラス代表取締役/ランドスケープアーキテクト。都市の中で自然とのつながりを感じられる空間づくりを実践。代表実績:二子玉川ライズ、としまエコミューゼタウン、南池袋公園など。GREEN SPRINGSでは、ランドスケープのマスターデザインを担当。
■私が思うウェルビーイング
「ウェルビーイングのWellは、We will。1人称じゃない、私たちの“意志”なんです。様々な人が、同じ志をもって生きていける社会が、ウェルビーイングだと思います」

深井幹夫
深井幹夫

株式会社船場CREATOR事業本部SC綜合開発研究所長。「ららぽーと立川立飛」などの企画を手がける。GREEN SPRINGSでは、街区の商業の企画、リーシングを担当。
■私が思うウェルビーイング
「このGREEN SPRINGSは民間なのにすごくパブリック性(公共性)があり、そのパブリック性の高い事業をあえて民間企業がやることにすごく意義があると思う。この場所を地域の人たちが自分のお気に入りの場所に思い、仕事仲間や恋人、友人、家族など、様々なシーンで過ごす居心地良い居場所がある場所、それが究極のウェルビーイングだなと思うんです」

古澤健児

古澤健児

株式会社山下設計 プロジェクト推進部門 事業企画部/都市計画部部長。立飛グループの開発のマスタープランを手がける。
■私が思うウェルビーイング
「僕の性格上、みんなの話を聞いて、それに一生懸命応える、そのプロセスが好きなんです。このプロジェクトをみんなで一緒に立ち上げていくこと自体が僕にとっては十分ウェルビーイングだし、プロジェクトを通じていいものを作りつつ、一方で課題も出てくるかもしれないけど、それにまた応えるというのも僕にとってのウェルビーイングだなと思っています」

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